マウスピース矯正やナイトガードなど、日常でマウスピースを使用している方は、
「どの洗浄剤を使用すれば良いのか」
「洗浄剤は毎日使用すべきかどうか」
など、色々と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、マウスピースの洗浄について紹介していきます。
また、おすすめのマウスピース洗浄剤や、超音波洗浄器などについても紹介しているので、マウスピースの洗浄について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
HARUCY運営者/歯科衛生士歴14年/歯科食育士認定資格取得/ 長年歯科医院で働いた経験を活かし、皆様に歯科に関する情報をわかりやく解説するWebライター。歯科関連メディアや歯科医院様のブログやLPなどのライティングを多数担当。
目次
マウスピースの洗浄剤は毎日使うべき?
マウスピース矯正にしても、ナイトガードにしても、マウスピースは食事中には外しています。
しかしながら、マウスピースは口の中に入れて使用するものであるため、常に清潔に保っておく必要があります。
とくに、マウスピース矯正では1日20時間以上もマウスピースを装着しているため、清潔に保つ必要性は非常に高いです。
もちろん、毎日必ず洗浄剤を用いた洗浄を行わなければならないというわけではありませんが、水で洗うだけでは十分に汚れが取り切れないことも多いため、可能であればなるべく毎日(もしくは頻繁に)マウスピース洗浄剤を使用することをおすすめいたします。
なぜなら、マウスピースを洗浄しないことで、次項で説明するような、さまざまなリスクが生じる可能性があるためです。
マウスピースの洗浄を行うべき3つの理由
マウスピースの洗浄を毎日するとなると、「面倒だし、費用もかかるし…」というように思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、マウスピースの洗浄をした方が良いのにはちゃんとした理由があります。
まずは、どうしてマウスピースを洗浄する必要があるのか、その理由から確認していきましょう。
①細菌が繁殖するから
マウスピースの洗浄を行うべき理由のひとつに、マウスピースに細菌が繁殖してしまうことがあります。
きれいに歯を磨いてマウスピースを装着すれば汚れがベッタリつくことはないものの、どんなに歯をきれいに磨いた状態でも、歯磨き等のセルフケアで完全に歯の汚れを取り切ることは難しいです。
そうして汚れが残ったままの歯にマウスピースを装着すると、マウスピースで汚れに蓋をする形になってしまうため、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
マウスピースで歯に蓋をすると酸素の少ないところを好む「嫌気性菌」が増殖しやすくなり、唾液が循環しなくなって歯の汚れが停滞し、細菌が増殖しやすくなるのです。
マウスピースのお手入れをサボってしまうと、少しずつマウスピースに細菌が繁殖することはもちろん、マウスピースの嫌な臭いの原因にもなってしまいます。
②マウスピースが着色するから
マウスピースが着色してしまうことも、マウスピースを洗浄すべき理由のひとつです。
色の濃い飲食物をよく摂取している人は歯が黄ばみやすくなるように、歯に付着した色素や残った飲食物(色素)が口内にあるままマウスピースを装着すると、マウスピースを着色させてしまう原因となります。
とくに、色の濃い飲食物を摂取後にそのままマウスピースを装着すると着色しやすく、歯を磨いてからマウスピースを装着することはもちろん、黄ばみが気になる日は丁寧なマウスピースの洗浄が必要です。
③むし歯・歯周病のリスクが高まるから
マウスピースの洗浄を行わないと、むし歯・歯周病のリスクが高まってしまう可能性もあります。
これは、マウスピースの洗浄を行わず、細菌が増殖したマウスピースを歯に装着するために生じるものです。
マウスピースに細菌がついていると歯や歯茎にまで悪影響を与えるリスクがあるため、マウスピースをしっかり洗浄しておく必要があります。
【どう洗う?】マウスピースの洗浄方法を知っておこう!
マウスピースをどう洗うのかについても、紹介していきます。マウスピースの洗浄の仕方には、主に3つの方法があります。
①歯ブラシでマウスピースを磨く
歯ブラシでマウスピースを磨くことで、マウスピース表面についた汚れを落とせます。
使用する歯ブラシはマウスピースを傷つけにくい「やわらかめの歯ブラシ」で、歯磨き粉を使用していない「マウスピース専用の歯ブラシ」を使いましょう。
歯ブラシを使ってマウスピース表面の汚れを取り除き、水道水で汚れを洗い流します。
②マウスピース洗浄液につける
マウスピースを洗浄液につけることで、歯ブラシだけでは取り除けなかったマウスピースの「着色」や「タンパク質」、「細菌」などの汚れを除去する効果が期待できます。
マウスピース洗浄剤の種類によって異なりますが、洗浄力の高い「酵素」や、漂白効果のある「漂白活性化剤」などが配合されているものがおすすめです。
また、使用する洗浄剤は、「マウスピース専用の洗浄剤」を使いましょう。なぜなら、入れ歯用の洗浄剤を使用したい場合は、商品によっては使用できないケースもあるため、矯正医もしくは販売元に確認しておく必要があるからです。
さらに、マウスピース洗浄剤には洗浄液につけ置くタイプ以外にも、マウスピースに直接スプレーをするタイプもあります。
③超音波洗浄器でマウスピースを洗う
さらに徹底したマウスピースの洗浄を行いたいという方には、超音波洗浄器を用いた洗浄方法を選択することも可能です。
超音波洗浄器は超音波の振動を利用して、マウスピースの微細な汚れを落とすものです。
洗浄剤と組み合わせて使用できる超音波洗浄器も販売されており、「マウスピース洗浄剤」と「超音波洗浄器」のダブルの効果が期待できます。
【厳選!】マウスピース洗浄剤・超音波洗浄器のおすすめ
では、実際に販売されているマウスピース洗浄剤では、どれが良いのでしょうか?ここでは、マウスピース洗浄剤や超音波洗浄器のおすすめをご紹介します。
マウスピース洗浄剤(タブレット)おすすめ
マウスピース洗浄剤(タブレット)は、ご自宅で1日に1回使用します。毎日洗浄するのが難しい方は、週に数回は行うようにしましょう。
また、可能であれば今回紹介するような「漂白活性化剤」や「酵素」、除菌率99.9%のマウスピース洗浄剤を選ぶのがおすすめです。
スッキリデント|矯正用リテーナー・マウスピース用洗浄剤
配合成分 | 漂白剤(過硫酸塩、過ホウ酸塩) 陰イオン系界面活性剤 酵素 漂白活性化剤 炭酸塩 クエン酸 重炭酸塩 結合剤 滑沢剤 香料 色素 |
価格 | 726 円(税込) |
容量 | 108錠 |
つけ置き時間 | 5分程度(一晩浸けOK) |
※当サイト調べ。2023.1月現在
【 特徴 】
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高い除菌力と洗浄力、そして臭いの予防まで3つの効果が期待できるマウスピース洗浄剤です。
およそ150mlの水(またはゆるま湯)に1錠入れて、5分程度つけ置きすれば洗浄完了です。汚れ等気になる場合は、一晩浸けもOKです。
ポリデント|デンタルラボ マウスピース(ガード)・矯正リテーナー用洗浄剤
出典:デンタルラボ 製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)HP
配合成分 |
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ストア価格 |
795円(税込) |
容量 |
48錠 |
つけ置き時間 |
5分 |
※2023.1月現在
【 特徴 】
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デンタルラボは、入れ歯洗浄剤で売上が高いブランド「ポリデント」の商品で、高い除菌力と着色汚れに効果的な「漂白活性化剤」が配合されています。
矯正用のリテーナーをはじめ、マウスピース矯正装置、ナイトガード、スポーツマウスガードなど、幅広いマウスピース向けの洗浄剤です。
また、洗浄方法はAmazonポリデントストアに動画が添付されていて、使い方もわかりやすく説明されています。
デントウォッシュ|リテーナー洗浄剤
配合成分 |
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ストア価格 |
520円(税込) |
容量 |
60錠 |
つけ置き時間 |
5分程度(汚れがひどい場合、一晩浸けすると効果的) |
※2023.1月現在
【 特徴 】
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デントウォッシュリテーナー洗浄剤は、銀イオンとIPMPの2種類の除菌成分と酵素のパワーで、カンジダ菌や臭いのもとになる細菌などをしっかり洗浄します。
リテーナー用の洗浄剤で、およそ5分のつけ置きで除菌率は99.9%。香料はアップルミントで、リテーナー洗浄後は気持ちよく装着できます。
マウスピース洗浄剤(スプレー)おすすめ
マウスピース洗浄剤(スプレー)は、タブレットのマウスピース洗浄剤に比べると、満遍なくマウスピースを洗浄するのが難しい部分はありますが、お出かけ先でのマウスピース洗浄にはおすすめです。
というのも、スプレータイプのものは洗浄時間がおよそ1分程度と、タブレットタイプと比べると短時間で洗浄ができるからです。
ポリデント|デントウォッシュ リテーナー洗浄剤
配合成分 |
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ストア価格 |
880円(税込)※Amazonストアでは歯ブラシ付きの価格 |
容量 |
125ml |
洗浄時間 |
1分 |
※2023.1月現在
【 特徴 】
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デントウォッシュは、ミクロの泡で汚れを浮かせて、およそ1分で99.9%の菌を除菌します。
研磨剤無配合なので、泡を2プッシュしたあとに歯ブラシで磨いても、マウスピースが傷つきません。
出先や、旅行中のマウスピースの洗浄に便利です。
超音波洗浄器おすすめ
超音波洗浄器は、ブラッシングでマウスピースを磨くのが面倒な方や、さらにしっかり洗浄したい方におすすめです。
ポリデント|デンタルラボ 超音波洗浄器
出典:デンタルラボ 製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)HP
ストア価格 |
7,794円(税込) ※専用の洗浄剤(72錠)つきの価格 |
洗浄時間 |
5分で自動停止 |
サイズ |
高さ124㎜ 幅110㎜ |
※2023.1月現在
【 特徴 】
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マウスピース(入れ歯)専用の超音波洗浄器です。デンタルラボの超音波洗浄器には、超音波機器専用の洗浄剤もあります。
「超音波機器」は、歯医者さんでも器具の洗浄にも使用されています。
デンタルラボの超音波洗浄器は、シンプルでコンパクトなデザインで、インテリアにもなじみます。また、機器内に収まる専用のトレーがあって洗浄剤をセットしやすく、洗浄液に手を触れずにマウスピースをつけ置きできます。
マウスピースの洗浄で注意する3つのこと
マウスピースを洗浄する際には、以下のような注意すべきこともあります。
この注意点を守らないと、マウスピースが変形したり傷ついたりするリスクがあるため、気をつけましょう。
①歯磨き粉でマウスピースを洗わない
歯磨き粉を歯ブラシにつけて、マウスピースの洗浄をするのはやめましょう。
なぜなら、歯磨き粉に含まれる成分のなかには研磨剤が入っていることが多く、マウスピースに細かい傷をつけてしまうリスクがあるためです。
マウスピースに細かい傷がついてしまうと、その部分に細菌や汚れが停滞しやすくなり、臭いの原因になったり、口内炎にもなりやすくなったりします。
②熱湯を使わない
マウスピースの洗浄をする際に、熱湯を使わないことも大切です。
なぜなら、マウスピースを熱湯につけると、マウスピースが変形してしまうリスクがあるためです。
もし、熱湯でマウスピースが変形してしまうと、マウスピースを装着できなくなったり、変形部分が原因となって、歯に適切な矯正力がかからなくなったりすることもあります。
そうなると、治療計画通りに歯が動かなくなったり、マウスピースを注文しなおしたりなど、トラブルの原因になってしまうため、マウスピースを洗浄する際は、水もしくは、ぬるま湯で洗うように徹底しましょう。
③洗浄時間を必ず守る
マウスピース洗浄剤の説明書に記載されている、洗浄時間をしっかり守ることも、マウスピースを洗浄する際に注意することです。
というのも、マウスピースを洗浄剤によって、指定された洗浄時間が異なるためです。
指定の時間より長くマウスピースを洗浄してしまうことで、マウスピースの劣化につながる可能性もあります。そのため、使用前に必ずマウスピース洗浄剤の使用方法を確認しておきましょう。
マウスピースの洗浄についてよくある質問に答えます
では最後に、マウスピースの洗浄についてよくある質問についてお答えしていきます。
Q1. マウスピースを洗浄する頻度は?
A.マウスピースを洗浄する頻度は、歯ブラシでの水洗いに関しては1日1回は必ず行いましょう。マウスピース洗浄剤の使用は、可能であれば毎日が好ましいですが、週に数回程度でも問題ありません。
Q2. マウスピースの洗浄は、100均のものでもいい?
出典:DAISOネットストア
A.マウスピースの洗浄は100均のものを使用しても良いですが、マウスピースの種類や素材によっては使えない場合もあるため、事前に歯科医師に相談してから使うことをおすすめします。
Q3. ナイトガード(食いしばりのマウスピース)の洗浄方法は?
A.ナイトガード(食いしばりのマウスピース)の洗浄方法は、マウスピース矯正のマウスピースと同じです。
ただし、ナイトガードを洗浄したあとの保管方法は、ソフトの場合は乾燥させて保管、ハードの場合は水に浸して保管と異なりますので、注意が必要です。
まとめ
マウスピース矯正のマウスピースは、1日20時間以上と長時間、口内に装置を入れているため、マウスピースを清潔に保つためには、洗浄剤を使用することをおすすめいたします。
マウスピースを洗浄しないと、細菌や着色汚れなどがマウスピースの表面についてしまい、最悪の場合、むし歯や歯周病を引き起こす原因になってしまうリスクもあります。
もし、マウスピースの洗浄が「面倒」「費用がかかる」などと感じる方は、普段はハブラシで磨いて水洗いをし、週に数回程度は洗浄剤を使用することをおすすめいたします。